俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜
果穂は駆け寄り、森元にメニューを見せる。

「お疲れ様です。
今日も寒い中ありがとうございます。
何か温かい物でもどうですか?」

「ありがとうございます。
…しかし自分は任務中の為…。」
森下は丁重に断ろうとするが、 
果穂の必死さが伝わり無碍にも出来ないと、思い直す。

両手で差し出されたメニューをそっと受け取り、指で挿して渡し返す。

果穂がバァッと明るい笑顔になり、
「少々お待ち下さい。」
と、嬉しそうに足速に去って行く。

本当にあの社長の奥様なのかと、
不思議に思うほど、初日から彼女は清らかでピュアな印象を持った。

あの社長、と言うには語弊があるかも知れないが、この会社に入って1か月、側で見続けた社長の印象は、
隙が無く頭の回転も早く出来る男だと言う事。

自衛隊あがりの屈強な男、森元から見ても敵に回したら危険な男だと思うほどに。

2人が一緒に居るところをまだ見てないからだが、なんだかチグハグな印象を与える夫婦だと思っている。

奥様に至っては、ほんわか緩い感じの癒し系で、おまけに見た目も可愛く清楚な美人である。
そして隙だらけ…これは社長が心配になるのも頷けるほどだ。
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