俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜
果穂side

ふわふわとした真綿に包まれてるような感覚が気持ち良くて、まだ目を覚ましたく無い。

このままずっーとこうしていたい。
微睡みながら夢と現実を行ききする。

手を差し伸べると温かな感触。
サワサワと撫でてみる。

「…果穂、……ちょっとくすぐったい。」

「えっ?……っ⁉︎」
急に意識が浮上して、パチと目を開ける。
目の前に翔さんがいて、

「きゃあ!」
っと跳びのき瞬きを繰り返す。

「…良かった…、何とも無さそうだな。」
翔さんはホッとした笑顔を向ける。

状況が読めない…
私、どうしたんだっけ……?

確かお風呂に入って……、その後…記憶がない……。

周りを見渡すと、ベッドの上で…。

翔さんが近くにあったカーデガンを肩にかけてくれる。

えっ⁉︎
やたらスースーすると思ったら、
バスタオル1枚だけ⁉︎

慌てふためきまたお布団の中に舞い戻る。

「風呂からなかなか出て来ないし、
声かけても返事が無くて、心配になって風呂場を覗いたら、湯船でぐったりしてるから慌てた。」

「…心配かけて、ごめんなさい…。」
 
「果穂の特技はどこでも寝れる所だけど、
頼むから風呂場でだけは寝ないでくれ……。
寝てるだけだって分かるまで生きた心地がしなかった。」
そう言って、布団ごと抱きしめられる。

「ごめんなさい…。」

「何とも無いならそれでいい。
着替え持って来るから待ってて。」

「あっ、自分で、行きます。だ、大丈夫です。」
慌てて、布団を被ったまま廊下に飛び出し、洗面所に駆け込む。

恥ずかし過ぎる。

何で私、お風呂で寝ちゃったんだろ。
うーんと、ジタバタしながら悶絶する。

部屋着に着替えても恥ずかし過ぎてなかなか洗面所から出られないでいると、
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