俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜

「翔さんは何が食べたい?」

「……じゃ、サンドイッチを…。」
果穂が、卵のサンドイッチをお皿に乗せ翔に渡す。

翔はまだ何が言いたそうだが、 
渋々お皿を受け取ってサンドイッチを食べ始める。

果穂もスコーンをパクっと一口、口にする。

「お待たせしました、紅茶です。」
新田が飲み物を片手に控室に戻って来る。

「社長、川田教授が奥様に是非、ご挨拶したいと言われています。
始まる前に教授の所へ顔出しをお願いします。」

「分かった。」
不機嫌そうに翔は返事をする。
そして、
「果穂、食べながら聞いて欲しいんだけど、気になる男の写真を森元が撮ったから、
見て欲しいんだ。」

果穂はスコーンを食べる手を止めて、
翔のスマホを覗き込む。

「あっ!……この人、お店に来た人だ。」

やっぱり、と翔は思い新田に目配せする。
新田は頷き、森元へ指示を出す為に部屋を出て行く。

「ありがとう。果穂には絶対近付けさせないから、安心して良い。」
こくんと、首を縦に振って果穂は頷く。

翔が側にいるからか怖いとは思わない。

「お知り合いですか?」

「顔見知り程度だ。こういう催しで2、3回顔を合わせただけだと思う。」
翔は、この男の妻との話を果穂に伝えなければと思う。
夫婦の間で隠し事は無しだと昨日話し合ったばかりだし……。
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