俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜
控え室に戻った途端、
「緊張しました…」
と言って、俺の腕に抱き付いて来るから、
そのギャップがまた堪らなく愛しい。
「堂々としてたよ。あのお喋りな夫人相手に、良く振り切ったと称賛したよ。」
そう言って、そっと頬を撫ぜる。
キスをしたいが、メイクを崩させる訳にもいかず踏み留まる。
「果穂さん、凄いです。
上手く交わされましたね。
あの川田夫人は夫人会の裏ボスと呼ばれる方なので、今後気を付けた方がいいですよ。
敵に回すと恐ろしい人です。」
新田が果穂にグッとポーズをして褒め称える新田に、要らぬ情報を果穂に流すなと、
俺はすかさず睨みを効かして黙らせる。
「そうなんですか⁉︎
私、大丈夫だった?失礼なかったですか?」
心配そうに俺を見てくる果穂を宥める。
「大丈夫だよ。完璧な受け答えだった。
夫人会なんて参加させないから気にしなくていい。」
果穂にこれ以上の負担はかけたく無い。
その為にも、いろいろなしがらみのあるこの大都会を早く脱出して、果穂の地元で2人のんびり過ごしたいと思っている。