俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜
全面対決
「翔さん!」
ついでに、喉が乾いただろうと飲み物を注文していると、不意に声をかけられる。
目を向けると、真っ赤なドレスに赤いリップを塗った、全身真っ赤な女が立っていた。
果穂もびっくり顔で彼女を見ている。
「お久しぶりです。
翔さん、お元気でしたか?」
俺は苦笑いして彼女を見遣る。
「結婚式の後で…
あんな風に押し掛けられてこっちは迷惑してたのに、良く何も無かったかのように話しかけて来れますね。」
俺の話し方が辛辣な態度に変わったのを、
果穂は目敏く察知してハッとした様に彼女を見遣る。
「宮崎社長夫人、ご無沙汰しております。
ご主人はどちらに?」
翔は心が一瞬で凍ったかのように、冷たい態度を取る。
「初めまして、妻の果穂と申します。
結婚式の日に来られたそうで、
ご挨拶が遅れまして大変申し訳ございませんでした。」
果穂は、気丈にも微笑みを浮かべ社交的に挨拶をする。
それを見て、俺も冷静さを取り戻し一息入れて心を落ち着かせる。
「…初めまして。
貴方のせいで、何人もの女が泣いていると思うのに少しも気にならないで、良く何事もない顔してニコニコ笑っていられるわよね。」
なんなんだ、この女は!と、翔は思う。
この場を取り保とうと、果穂が頑張っているのに気にもかけず、社交辞令も出来ないなんて仮にも社長夫人のくせに。
俺は怒りを通り越して呆れる。
咄嗟に果穂を背中に隠し、鋭い目線で睨み返し、
「宮崎夫人このような場で貴方は立場もわきまえず、妻を侮辱する言葉を吐くとは…。
残念だが救いようが無い。
この場から即刻退去を願います。
スタッフを呼ぶ前に、自分から去った方が身の為ですよ。」
さすがに女は狼狽し宙に視線を漂わせる。
何かを察知して、周りのスタッフと雅也が駆けつけて来るのが見える。
「翔さん、大丈夫です。
少し彼女とお話がしたいのですがお時間頂けますか?」
背中から果穂の冷静な声が聞こえて思わず振り返る。
果穂はにこりと笑って、俺の逆立った気持ちとは裏腹に凛とした表情でこちらを見ている。
ハッとして果穂を数秒見つめ、
静かに頷き彼女のしたい様にさせようと、瞬間決める。
女を排除しようと数名集まったスタッフを咄嗟に制御し、個室に女を連れて行くよう指示をする。
俺も冷静さを取り戻し、果穂の肩を抱き寄せ飲み物を渡す。
「大丈夫か?
ああいう女は気を付けないと直ぐ手を出してくる。果穂を傷付けられたく無い。」
まるで、リングに立とうとするボクサーのセコンドの様な気持ちになりながら、
果穂の次の言葉を待つ。
「私、小さい頃からいじめられっ子で、意外とこういう事には免疫があるので大丈夫なんです。」
にこりと笑って果穂が言う。
ついでに、喉が乾いただろうと飲み物を注文していると、不意に声をかけられる。
目を向けると、真っ赤なドレスに赤いリップを塗った、全身真っ赤な女が立っていた。
果穂もびっくり顔で彼女を見ている。
「お久しぶりです。
翔さん、お元気でしたか?」
俺は苦笑いして彼女を見遣る。
「結婚式の後で…
あんな風に押し掛けられてこっちは迷惑してたのに、良く何も無かったかのように話しかけて来れますね。」
俺の話し方が辛辣な態度に変わったのを、
果穂は目敏く察知してハッとした様に彼女を見遣る。
「宮崎社長夫人、ご無沙汰しております。
ご主人はどちらに?」
翔は心が一瞬で凍ったかのように、冷たい態度を取る。
「初めまして、妻の果穂と申します。
結婚式の日に来られたそうで、
ご挨拶が遅れまして大変申し訳ございませんでした。」
果穂は、気丈にも微笑みを浮かべ社交的に挨拶をする。
それを見て、俺も冷静さを取り戻し一息入れて心を落ち着かせる。
「…初めまして。
貴方のせいで、何人もの女が泣いていると思うのに少しも気にならないで、良く何事もない顔してニコニコ笑っていられるわよね。」
なんなんだ、この女は!と、翔は思う。
この場を取り保とうと、果穂が頑張っているのに気にもかけず、社交辞令も出来ないなんて仮にも社長夫人のくせに。
俺は怒りを通り越して呆れる。
咄嗟に果穂を背中に隠し、鋭い目線で睨み返し、
「宮崎夫人このような場で貴方は立場もわきまえず、妻を侮辱する言葉を吐くとは…。
残念だが救いようが無い。
この場から即刻退去を願います。
スタッフを呼ぶ前に、自分から去った方が身の為ですよ。」
さすがに女は狼狽し宙に視線を漂わせる。
何かを察知して、周りのスタッフと雅也が駆けつけて来るのが見える。
「翔さん、大丈夫です。
少し彼女とお話がしたいのですがお時間頂けますか?」
背中から果穂の冷静な声が聞こえて思わず振り返る。
果穂はにこりと笑って、俺の逆立った気持ちとは裏腹に凛とした表情でこちらを見ている。
ハッとして果穂を数秒見つめ、
静かに頷き彼女のしたい様にさせようと、瞬間決める。
女を排除しようと数名集まったスタッフを咄嗟に制御し、個室に女を連れて行くよう指示をする。
俺も冷静さを取り戻し、果穂の肩を抱き寄せ飲み物を渡す。
「大丈夫か?
ああいう女は気を付けないと直ぐ手を出してくる。果穂を傷付けられたく無い。」
まるで、リングに立とうとするボクサーのセコンドの様な気持ちになりながら、
果穂の次の言葉を待つ。
「私、小さい頃からいじめられっ子で、意外とこういう事には免疫があるので大丈夫なんです。」
にこりと笑って果穂が言う。