俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜
ついに、挙式の時間になる。

翔は先に招待客に挨拶しながら、バージンロードを歩き、祭壇にたどり着く。

事前のリハーサル通り、果穂と義父が登場する扉を振り返り見つめる。

普段、緊張なんか無縁の翔が、
何故だか分からないけど、自分の鼓動が高鳴るのを感じ、人知れず戸惑う。

扉が開くのをまだかまだかと招待客も一緒に待つ。

カーンカーンカーン

3回鐘の音が鳴り、
扉が開くと同時に、パイプオルガンの音色が響く。

扉から眩いばかりの光が注がれ、

一瞬眩しくて目が眩む。

細めた視線から、浮かび上がるシルエットが2つ。

胸が痛い程、高鳴る。

バージンロードをゆっくりと進んで来る果穂と目が合った瞬間、
翔は雷に打たれたような衝撃を受けた。

ああ、出会った頃に感じたあの痺れる様な感覚。

この先きっと何度でも、彼女に惹かれ、
焦がれ俺の事を惹きつけて離さないだろう。

白く透き通る肌にウェディングドレスの白さが引き立つ。
白いレースの手袋から華奢で、すらっと伸びた二の腕が覗き、ベールに隠された綺麗な瞳が俺を真っ直ぐ見つめている。

翔は、歯に噛んだ笑顔が可愛くて、出来れば直ぐにでも駆けつけて抱き締めたい衝動に駆られる。
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