俺様社長は純情な田舎娘を溺愛する 〜その後のエピソード〜
式も滞りなく終わり、
拍手喝采の中、バージンロードを2人で歩く。

冷たい果穂の指先が気になる。

早く控え室に戻り2人きりになりたいのに、
参列者に言葉を交わしながら歩く果穂の歩みはゆっくりだ。

仕方なく合わせるしか無く、気持ちばかりが募る。

そのタイミングで、1人の男の目線に気付く。
 
俺の顔を射るように鋭く睨むその眼差しは
異様な程で、俺の心を騒つかせる。
当の果穂は、挨拶に夢中で気付いていないが…。

俺の出来の良い秘書を探す。

こう言う時、若いながらも良い仕事をする奴だ。
 
新田を見つけ、目線と顎で合図を送る。

拍手しながら微笑んでいた新田だが、
俺の指令を正しく察知し、笑顔を消してコクンと頷く。
どうやら伝わったようだ。

隣にいる雅也に何やら耳打ちしている。

どうか最後まで何事も無く終わって欲しい。
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