ソファーときんぴらごぼう
お互いいろんな溜まったことをこなして、お昼にパスタを作って、食べて。
一休みしてから出掛けることにした。
「どこいくんですか?私は行きたいとことかあんまり思いつかなくて」
「うーん、正直俺もそんなになかったんだけどさ。
ちょっと遠出してみようよ」
車の助手席をどうぞ、と開けてくれる。
「…あ、お邪魔します」
スマートな動作よ。免疫ないこっちはすぐどきっとしちゃうのよ。
平日は車で通勤しないから、土日に車で出掛けるのが楽しみなんだよね、と相馬さんは言う。
車の運転好きなんだなぁと感心してしまう。
車を運転する姿もかっこいい。
車を走らせて、高速にのって、一時間くらいで到着。
郊外の大型ショッピングモールというやつ。
「初めて来ました…。おっきい…」
軒並みの感想を話す私を見て、ふっと笑いを浮かべ、行くよって私の手を握った。
握った?!
え!
私が話す前に手を繋いで進んでいく。
何も言えなくなる私。嬉しい気持ちもあるんだもん。
ウインドウショッピングをして、お互いの服も見たりして。
可愛いと思って試着したスカート。
うん、これ買おうと思ったら
「このまま着ていってもいいですか?」
と相馬さんが言い出し、店員さんもあらまぁ、彼氏のプレゼントね!みたいな顔してる。
「いやいやいや!」
私が慌てている間に店員さんのタグを切る早さよ。
そのまま会計してるし!
「相馬さん…ううう…」
何も言えなくなっていると、
「似合ってると思うよ。上の服にも合ってるし。普段のご飯のお礼だよ。…だめ?」
そのたれ耳が見えそうなしょんぼり具合に弱いのよ。
「…ありがとうございます…」
スカートを買ってもらって、顔が真っ赤な彼女と、スカートを買って嬉しそうな彼氏。
店員さんから見たらそう見えているんだろう。
ほんとに恋人同士みたいな錯覚を起こすわ、これ。
期待させないでほしいのに。