ソファーときんぴらごぼう


部屋に帰ってきたら、玄関で靴を脱ぐ間もなくお姫様だっこされる。

パンプスが抱き上げられた反動で落ちるけど、気にする様子もなくリビングに連れて行かれる。

そして、そのままソファーに座る。

「とりあえず、甘やかして甘やかして、俺の前だけで可愛くなるようにしようね。
他のやつに勿体ないから見せないでね。
俺の前で甘えてほしいから、とりあえず抱っこのまんまいてね」

にっこりしながら、なんか恐ろしいこといってるよ…。

でも、あながち間違っていない。

あんな軽々お姫様抱っこされたら、こっちもキュンだわ。

「重たいかもしれませんよ?わたし。
うざったくなるかもしれませんよ?」

ふと、迷惑がられたらとショックを受けたくなくて予防線を張ってしまう。

「ん?多分俺の方めんどくさくなるかも。
でも、粘り勝ちするからね、諦めてね」

予防線なんて意味がなく、簡単に飛び越えてきてしまう。

「アパート解約してここに住めばいいと思うよ。
おかえりって言ってくれる人が居るっていいよね。ここ最近で実感してる。
それにもう、ここに奈緒ちゃんが居ないのしっくりこないくらい自然だし」

そういって、お風呂入って今日は一緒に寝ようねとか甘いこと言ってくるし。  

心臓何個あっても足りないくらいだけど、近いうちに甘やかされてあなたなしじゃしんどいくらいになってしまいそうな予感。

私もあなたに必要とされ続けたい。

「今日はなんもしないけど、近いうち覚悟してね」

「?!」

☆おわり☆
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