永遠に続く一方通行の約束を
ピンポーン
数十分後、雄斗の家に到着した宇花は、ドアチャイムを押した。
すぐに、ガチャッと音を立ててドアが開く。
「やっほ~ゆうくん来たよ!」
敢えていつも通りを装ってそう話し始める。
「どうして急に、家に呼んでくれたの?」
分かっていないふりをして尋ねる。
雄斗は少し視線を外して
「…、取り敢えず家の中、おいで。」
質問の答えになっているような、いないようなそんな返答。
「…うん!じゃあ、お邪魔しま~す。」
気にしている素振りをみせず、挨拶をして家の中へ足を踏み入れる。
何度も訪れたことのあるこの部屋は、必要なものだけが配置された簡素な作りで、雄斗自身の性格を表しているようでもあった。
「宇花、それで話っていうのはさ、」
その雄斗の一言で一気に現実に引き戻される感覚がした。
「あ~!なんか、甘いの飲みたくなってきた!ゆうくんキッチン借りるね!ゆうくんも何か飲むでしょ?甘いのあんまりだし、コーヒー入れてあげる!」
でも、やだ知りたくない。
さっきは知りたいって思ってたくせに。
ほら、今は逃げてる。