永遠に続く一方通行の約束を
「ゆうくん、はい!コーヒー入ったよ!」
コトッと宇花がカップを置く。
「ありが、とう」
少しきごちない言い方で雄斗はそう返す。
そして、雄斗が一口、コーヒーを口にしたことを見届けてから
「それで、ゆうくん話って何?」
楽しい会話をしているような口調。
底知れない不気味さを感じるそれに雄斗の表情は強張ってしまう。
「えっとさ、さっきも言おうとしたんだけど、」
「うんうん!」
緊張から声に震えが出てしまう雄斗とは裏腹に緊張感を感じられない宇花の声。
「俺達さ、別れよう。多分このまま付き合っててもお互いにとって良いことないと思うんだ。」
それ以上の言葉は繋がらない。
しかし、
「は~、そっか~宇花たち別れなきゃいけないんだね。」
普段と変わらぬ口ぶりで、まるで日常会話の最中のように宇花はそう口にする。
「そっかって、え?どうして、さっきあんなに…」
「だってゆうくんがそう決めたんでしょ~?なら仕方ないよ。宇花が止めれることじゃないもん。」
宇花のあっけらかんとした物言いに毒気を抜かれた表情をする。