白衣の王子たち
ふと、蓮くんの方を見ると
夢中でケーキを食べているあまり
口の端にクリームがついている。
無意識にそのクリームを指で拭って
その指を舐めてしまった。
「っ、、、はな。
煽ってるの、、、?」
「っ!!ちがうの!
なんか勝手に手が、、、」
私の肩に蓮くんの頭が寄りかかってきた。
「あのバングルくれたのって、怜?」
さらさらの髪が首に当たってくすぐったい。
蓮くんの香水の匂いがする。
「うん、、、佐倉先生には、内緒だよ。」
「わかってるよ。
嫉妬するから、
捨てろとまでは言わないけど、
俺の前ではつけないで。
、、、かっこ悪いよね、こんなの。」
普段の蓮くんからは想像できない、
弱気な発言。
なんか、かわいい。
「うん、わかった。」
蓮くんは顔を上げる。
「このかっこ悪い俺も、
“内緒”だからな」
そう言って再びケーキをつつき始めた。
クリスマスの日の
2人の秘密。