白衣の王子たち

カードキーをかざして、ドアを開ける。

「おじゃましまーす。」

もちろん、誰もいないわけだけど。

癖で言っちゃう。

“ニャーン”

「リリー、ごめんごめん。

誰もいないって言って。」

誰もいないは前言撤回。

飼い猫のリリーはいる。

かわいいペルシャ猫で、あまえんぼ。

そうおもうと、リリー、蓮くんに似てるな。

リビングに入ると物も少なくて、

生活感のない部屋。

男の人の家を見たのは、

蓮くんが初めてだからわかんないけど

こんなもんなんだろうか。

冷蔵庫に買ってきた食材をしまう。

冷蔵庫の中は缶のエナジードリンクと、

いちごみるくとカフェオレしかない。

自分はこんな生活のくせによく、

私にちゃんと食べろとかお説教できるよなぁ。

帰ってきたら、言ってやるんだから。

ソファに腰掛けて、携帯をいじる。

夕焼けが差し込んで部屋があったかい。

リリーは膝の上に乗って寝てしまった。

なんか、わたしまで眠くなってきちゃったな。

変な時間だけど、少し寝ちゃお、、、

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