白衣の王子たち
「佐倉です。南野さん、どうですか。」
走ってきたから、
肩で息をしながら救急の看護師に聞く。
「〇〇駅の前で心臓発作で意識消失。
熱発ありで39度超えてます。
呼吸不全もあり、
今は発作どめの点滴滴下し始めたところです。」
「ありがとう。」
はなちゃんの顔をみる。
今日はなんかおしゃれしてるな。
まったく、どこで遊び呆けてたのやら、、、
こんな高熱でよく歩けてたな。
「、、ん、、せんせ、、?」
はなちゃんが薄ら目をあけた。
「無理して話さなくていいよ。
ここ病院だから安心して。」
熱を持ったおでこを撫でる。
すべすべで赤ちゃんみたいで壊れそう。
「ごめんなさ、、、せんせ、、」
目にいっぱい涙を溜めて、
意識飛び飛びで謝ってくる。
ほんとにこの子は、、、(笑)
「まったく、、、なんで無茶するかな。
言い訳は元気になったら聞くから。
今はおとなしくしてて。」
にへらと少し口角を挙げるはなちゃん。
そのまま寝てしまった。
さて、今から検査と治療で忙しくなるぞ、、、
僕の静かな当直は幕を閉じた。