白衣の王子たち
〈蓮side〉
「今日はありがとな、助かった。」
怜を見送りに玄関まで向かう。
「別にいいよ。
お前が熱出すなんて珍しいし
死んでないか見にきただけ。
これ、スポドリとかゼリー入ってる。」
怜は色々入ったレジ袋を渡してきた。
「サンキューな。
明日は俺行けると思うから。
気をつけて。」
怜が玄関のドアレバーに手をかけ、
もう別れると思ったその時、
突然振り向いたと思えば
グイと胸の辺りを引っ張られ
怜の口元が自分の耳直前で止まった。
「お前が少しでも油断したら
はなちゃんのこと奪うから。」
「ははっ、珍しく強気じゃん。
今回は俺、絶対離さないから
安心してくれていーよ。
てかお前
わかってるだろ、俺が本気なの。
俺が本気な時、今まで勝てたことある?」
「そう思ってればいいよ。
主治医として1番側にいたのは俺だから。
本気の俺には勝てないだろうとか
そういう驕りがあると隙突かれるよ。
まぁ、頑張って。」
パッと手を離し、
怜はひらひらと手を振って帰っていった。
へぇ、、、やっぱり
怜もはなのこと狙ってたんだ。
離すつもりなんて、さらさらないけど。