白衣の王子たち

何回か吸入すると、発作は落ち着いてくれた。

発作で体力が奪われたみたいで

はなは眠そう。

「はな、発作で疲れたでしょ。

もう少し寝な。」

腕の中からはなを解放して、ベットに寝かせる。

「うん、少し寝ようかな。

おやすみ、蓮くん。」

「うん、おやすみ。」

しばらくすると、

小さな寝息が聞こえるようになった。

寝たかな。

今のうち、点滴しないと。

布団に手を潜らせて、腕を探す。

華奢な腕を少し布団から出して

アルコール綿で消毒。

ごめん、少し痛いけど許してな。

そう心で思いながら針を通す。

少し体がびくっとしたがうまくいった。

さて、使命は遂行したし

まだ読んでない文献読まなきゃいけないし

はなのご飯も何かしら作らないと。

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