白衣の王子たち
実習
〈はなside〉
はぁ、、、
私は1枚の紙を前にため息をつく。
ため息は、いいことも口から出ちゃうから
なるべくつきたくないんだけどな、、、
「なに、辛気臭い顔して。」
紙をとりあげられた、犯人は蓮くん。
今日は蓮くんもわたしもお休みで
蓮くんのマンションでおうちデート。
「ごめんごめん、せっかく一緒にいれるのに
ため息ついてたら嫌だよね。」
紙を取り返そうとするけど、
悔しくも高身長に敵わない。
「ふーん、実習先、俺のとこなんだ。
それでなんでため息ついてんの。
毎日会えるし、俺は嬉しいんだけど。」
紙の正体は、実習先決定のお知らせ。
私は心理カウンセラーになるための
短大に通ってる。
もう少しで2年生だから、実習もあるんだけど。
実習先はランダムで決まる。
ランダムなのに
蓮くん達の大学病院だったって話。
しくまれてる?
「なに、はなは嫌なの?」
「いや、嫌ではないけど、、、
知ってるところだと、甘えちゃうかなって。」
「真面目だな、はなは。
俺が学生の時なんて
実習先が親父の病院だし
ラッキーとか思ってたのに。
まぁでも、、、
はなの、言いたいこともわかるよ。
特別扱いされたくない気持ちは俺もあったし。
特別扱いされてるって思わないように
病院の方には上手く言っておくから
安心して来たらいいよ。」