白衣の王子たち

「おはよ」

目を開けると、佐倉先生が目の前にいた。

いつも通りのスクラブに白衣すがた。

身長が高くて、細身で一見冷たい男性だから

今でも緊張するな、、、

「おは、ようございます、、」

すんごい圧を感じる、、、(汗)

「まぁ、お説教は後にして、

とりあえずバイタル測らせてね」

お説教あるよねやっぱり、、、(涙)

pipipi___

体温計がなった。

素早く抜き取って

佐倉先生に見えないように数値を見る。

38.6かぁ、、、

やだなぁ、解熱剤したくないよ、、、

「はなちゃん。みせて。」

背中に体温計を隠して、沈黙を貫く。

もう一回、軽く挟んで測れば平熱になるかな、、、

なんて考えていると、

佐倉先生の手がおでこに当てられた。

「ちょ、せんせ、」

「はぁ、、、

触っただけでも高熱なのは分かるんだから

潔く出しなさい。

しんどいんでしょ。

お説教長引くよ??」

「えっ、やだやだ。ごめんなさい。」

体温計を差し出す。

「うーん、これ以上上がるようであれば

解熱剤つかいたいな」

「やだむり。」

私は生まれつきどの解熱剤も体に合わなくて

吐いてしまったりする。

だから解熱剤は嫌い、、、

どうしても高熱が出たりすると

つかわざる得ないけど

「わかったよ。もう少し様子見しようね。」

佐倉先生は目を合わせてなでなでしてくれた。

このやさしいなでなで、だいすき

体温、血圧、酸素とかを測り終わって

ひと段落すると

佐倉先生は病室の椅子に腰掛けた。

< 19 / 295 >

この作品をシェア

pagetop