白衣の王子たち
言い方、間違えたかな。
こんなこと言ったら、
わたしは晴人の行動を肯定しているみたいだ。
「ごめん、蓮くんは悪くな、」
「もういい。」
蓮くんは黙って診察を再開する。
どうしよう。
こんな雰囲気にするつもり、なかったのに。
「っん、ぁ、ごめんなさい。
げほ、っ」
どうしよう、が頭をぐるぐるしすぎて
喉が苦しい。
「蓮、お前!
はなちゃん具合悪いんだから
責めるなって、発作出てんじゃねえか。
はなちゃん、ゆっくり息して。」
ちょうど、白衣に着替えて戻ってきた佐倉先生が
わたしの発作に気づいてくれた。
ゆっくり背中をさすってくれて
吸入が口に当てられる。
「そもそも今回は、
はなちゃん被害者なんだから。」
「後は怜がやれよ。」
「ちょっと、待てって。」
佐倉先生の制止を振り切って、
蓮くんは去ってしまった。