白衣の王子たち
「というか、謝らないで先生。
わたしのせいだから。」
「自分を責めないの。
いつも限界まで1人で無理して倒れるから
人に頼るってこと、覚えて。
わかった?」
ほっぺをむにゅと、摘まれた。
「、、、考えとく。」
「前向きに考えてくださいね。
とりあえず、診察するよ。」
あの日のことを詮索するでもなく、
点滴の確認、聴診もろもろ
いつも通り淡々と進めていく先生。
「、、、ねぇ、先生。
あの日、何があったか聞いたりしないの?」
先生は手を止めて、こちらを振り向いた。
「はなちゃんが聞いて欲しいなら聞くよ。
でも、僕から深くは聞かない。
あんな辛そうなはなちゃん見たら、
聞かなくてもわかったから。」
頭に手が伸びて、柔らかに撫でられる。
そのまま腕はわたしの背に回って、
強く抱きしめられた。
「もう頑張らなくていい。
もっと頼ってよ。」