白衣の王子たち
蓮くん今、そもそも病院にいないんだ。
会わないかハラハラしてたから、正直助かった。
「蓮せんせいはね、
ママの病気を治してくれたんだ。
せんせいがいなかったら、
ママしんでたかもしれないんだって。
だからね、蓮せんせいはヒーローなんだよ。」
きらきらの笑顔でそう言ったぼく。
予想外の発言に、一瞬固まってしまう。
「そうだよね。
蓮先生は、ヒーローだよね。」
自分の発言が、自問自答のようだ。
だめだ、ここで泣いちゃ。
そう思うものの、
勝手に出てくる涙を抑えられなかった。
「おねーちゃん?だいじょうぶ?いたい?」
心配そうな小さい手が、
わたしの手に重なる。
「ううん、ごめんね。大丈夫。
蓮先生、早く帰ってきたらいいね。」
「うん、また遊ぶって約束したから
ぜったい帰ってくるよ!
そしたら、おねーちゃんも一緒にあそぼうね!」