白衣の王子たち
嘘でも、そうだよと言ってくれる
そんな気がしていたけど
わたしが勝手に期待していただけ。
「部屋戻るよ。」
手首を掴まれて、ぼくと別れる。
「病室から出ていいって、言ったかな。」
エレベーターの中で、腕を組んで見下ろされる。
「ごめんなさい、、、」
「ちょっと目を離すと、これだから、、、
体は動かせるようになったかもしれないけど
まだ治りきってないんだからね。」
「わかってるよ、こどもじゃないんだから。」
「さっきの子のほうがよっぽど
聞き分けが良さそうだったけどね。」
「そんなことないもん!」
ほっぺを膨らませて威嚇する。
「ごめんごめん。
とりあえず、まだ体弱ってるから脱走禁止。
また、様子見にくるからね。」
病室に戻されて、先生は外来に戻ってしまった。