白衣の王子たち
「もうやだ。
いつまでこんなの耐えればいいの。」
やっと嘔吐が止まったかと思えば、
本格的に泣き出してしまった。
「ごめんね、はなちゃん。
治療毎日頑張ってるのに。」
謝って、慰めることしかできない。
「解熱剤、次の点滴はまだだめなの?
もう入れてよ。
熱上がってきてきもちわるい、」
解熱剤が切れて、
熱が上がる感覚が苦手なんだったな。
「とりあえず、お熱測ろうか。」
体温計を滑り込ませ、額に手を触れる。
肌に触れた感じ、測るまでもないな。
消灯直前に測った時は
まだ7度前半くらいだったはずだけど、
そんな程度じゃなさそう。
___pipipi
予想通り、40度近い。
でも、次の解熱剤は最短で2時間後。
間隔が決まってるから
そんな無闇矢鱈に投与できない。
「はなちゃん、ごめん。
まだ打っていい時間じゃないんだ。
辛いけど、もう少し、、、」
「先生もそんなことしか言えないの?
もういい。
出て行って。
どうせ治せないならもう来なくていいから。」
「ごめん、でも、」
「喋るのもしんどいの。
出てって、って言ってるじゃん。」
「わかった。
もうなるべく来ないようにするから。」