白衣の王子たち
〈はなside〉
佐倉先生は、静かに病室を出て行った。
自分の呼気が熱い。
熱が上がってきて、うまく頭が回らない。
なんであんなこと言っちゃったんだろう。
あんなこと、言いたかったわけじゃないのに。
解熱剤、まだ入れられる時間じゃないって
わかってて、八つ当たりした。
わたし、最低だ。
スマホの画面をみるけど、
一向に美波からの返信はない。
美波も、佐倉先生もわたしから離れていく。
両親が蓮くんと距離を置かせたように
わたしの周りの人を余計に傷つけないためにも
これでよかったのかな。
独りぼっちになれば、
わたしがいなくなっても誰も悲しまない。