白衣の王子たち
懐かしい夢を見た。
2年前。
主治医になったばかりの佐倉先生と
喧嘩した日。
衝動的に、診察室を飛び出して
行く宛もなく、病院内を彷徨っていた。
とりあえず、ひと気のない場所に行きたかった。
侵入禁止の看板を超えて、
非常階段を登った先に現れたドア
興味本位でドアを開けると、
白衣の男性が立っていた。
一瞬、驚いた顔をして
ふと、笑ったそのひと。
白衣にタバコ、舌ピアスに聴診器。
チグハグで頭がおかしくなる。
「あ、すみません。間違えました。」
やばい人だ。
そう思って、ドアを閉めようとした。