白衣の王子たち

「えっ、、、!!」

わかりやすく死ぬほど動揺してしまった。

「失礼だな。驚きすぎ。」

こんなヤブ医者みたいな風貌のひとが、

後継、、、?!

石田先生は堅実で、物静かだし

本当に息子か疑いしかない。

「てことは、今主治医は怜になったわけか。」

「怜、、、?」

「佐倉怜。まだ会ってない?」

あー、なんかそんな名前だった気もする。

嫌いな医者の名前なんて、覚えないもん。

「佐倉先生になったんですけど、

石田先生に戻して欲しいです。」

「怜、堅物だからなー。

あ、わかった。

さっき泣いてたのも、怜に詰められたんでしょ。」

図星である。

「はは、本当にそうみたいね。

俺もよく喧嘩したよ。

したっていうか、今もめちゃくちゃするけど。」

「先生は、佐倉先生と友達なの?」

「友達っていうか、腐れ縁かな。

近所に住んでて、

ずーっと学校も勤務先まで同じだし。」

普段、自分の素性はぺらぺらと人に話さない。

でも、どうしてか、

この人には話してもいいかなと思えた。

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