白衣の王子たち
未練
「はなちゃん、ゆっくり呼吸できる?
痛いね。」
「むりっ、、、
っいた、、、い」
モニターの音が、煩い。
最近、頻繁に発作に襲われる。
今日なんて、3回目だ。
龍くんが、優しく背中を摩ってくれるけど
痛みは増す一方で、冷たく当たってしまう。
「すみません、遅くなって。」
息を切らせた佐倉先生が、
勢いよくドアを開けて入ってきた。
「今日もう発作3回目、か、、、
ちょっといつものと違う薬使うね。
多分すぐ効いてくれると思うから。」
首を少し動かして、同意する。
この痛みから解放されたい以外の感情がない。
龍くんは佐倉先生の指示をうけて、
点滴バックをひとつ持ってきた。
中の薬液の色は、
体に入れていいのか心配になるような
濃いピンク色。
そんな心配をする暇もなく
その点滴は管に繋がれて
わたしの体内に入っていく。