白衣の王子たち
いつぶりかに取り出した
カードキーをかざす。
「お邪魔しまーす。」
佐倉先生によると、まだ海外出張中だから
いないのわかってるけど、一応ね。
“ニャー”
「リリー、覚えててくれたの?」
リリーが飛び跳ねながら足に擦り寄ってきた。
部屋を見る感じ、
ハウスキーパーさんは定期的に来てるみたい。
リリーのお世話もちゃんとしてある。
置きっぱなしだった大学の課題
パジャマにメイク用品
あまり時間をかけないように纏めていく。
「だめだよ!リリー!」
書斎はいつも入らせてくれなかった。
リリーを入れると、
文献がバラバラにされるからと。
それなのに少し隙間が空いて、
書斎にリリーが入ってしまった。
リリーを捕まえるため。
そう言い聞かせて書斎に入る。