白衣の王子たち
「はな。ちょっと機械つけるから
左手出して。」
蓮くんがお医者さんの輪から抜けて
わたしの横にきた。
「痛いのじゃない?」
「うん、痛くないやつ。」
出し渋るわたしの左手に
蓮くんの手が重なる。
「、、、ん?」
違和感を感じて手を出してみると、
薬指に折り紙で出来た指輪が付けられていた。
「金属は手術中につけられないから
折り紙の指輪の、お守り。」
「っふふ。なにそれ。
蓮くん、こんなの作れたの?」
「昨日小児科の病棟行って、
子供達に教えてもらった。
子供達にやいやい言われて、
1時間かかったんだからな。」
子供達に囲まれながら、
折り紙する蓮くんを想像すると
すごくおもしろい。
「本物の指輪は、手術頑張ったら
一緒に、選びに行こう。」