白衣の王子たち
「まーた、はなのこといじめてんの?」
突然病室のドアが開いた。
わたしのことを呼び捨てにするなんて
この病院に1人しかいない、、、
「蓮くん。」
「やっほ、はな。
また怜に泣かされてんの?」
自然な流れで頭をなでてきた。
髪をさらさらと、長い指で梳かされる。
「泣かせてません。
蓮、茶化しにきたなら帰れ。」
「茶化しにきたんじゃないよー。
はなのこと助けに来たの。」
突然現れたと思ったら、
蓮くんは手袋をつけはじめた。
「ちょ、蓮くん、なにしてるの?」
「俺がルートとって、注射もするわ。
怜よりうまいし。
針の方みるなよ、怜の方見とけ。」
そう言い放つと、
ぐいっと佐倉先生の方に顔をむけられた。
抵抗する間も無く、腕を消毒され
点滴用のルートを刺され
間髪入れずに注射まで打たれた。
手先が早すぎて、
何が何だか分からない間に終わってしまった。