白衣の王子たち
遠くから走ってくる音が聞こえる
「南野さん?ゆっくり息できる?
辛いね、大丈夫大丈夫。」
聞き慣れた声が聞こえる。
佐倉先生だ。
佐倉先生は主治医の先生。
「ごめん、ちょっと我慢してね」
急に体が宙に浮く。
お姫様抱っこされてるなこれ、、、
苦しい中でもまぁまぁな恥ずかしさを感じる
恥ずかしすぎて目開けれないじゃん、、、
そんなことを考えている間に、
処置室のベットについた
息しんどい、、、
「しんどいけど吸入がんばろ。
気管支狭くなってるから。」
あーーそうですよねぇ
やだなぁ
でもしんどいのから早く解放されたくて、
しぶしぶ吸入器を口に当てる。
「うん、えらいえらい。しんどいね。」
大きくてやさしい手で背中を撫でられる。
もう一方の手では器用に点滴の針を入れてくる。
この手で撫でられるの気持ちよくて魔法みたい。
今はいいけど
走ったことバレてるんだろなぁ、怖いなぁ