病める時も、健やかなる時も、君と
廊下には、たくさんの写真が飾られている。どの写真にも、絵梨花と背が高い茶髪の男性が写っている。彼はこの家で絵梨花と共に同棲している月島夏樹(つきしまなつき)だ。
「夏樹さん……」
絵梨花は笑顔で写真に写っている彼をそっと指で撫でる。それと同時に、再び涙が溢れて床に落ちていく。
夏樹と出会ったのは、三年前の夏のことだった。絵梨花は高校の時の友達に誘われ、浴衣を着て夏祭りに出かけた。この夏祭りは地元では有名な祭りで、毎年多くの人で賑わっている。
屋台で売られているかき氷や焼きそばを食べ、射的やヨーヨー釣りで遊び、久しぶりに絵梨花ははしゃいでいた。しかしーーー。
「みんな、どこ行っちゃったの?」
絵梨花は友達とはぐれてしまった。慌てて探すものの、人が多すぎて全くわからない。かばんの中にあるスマホを取り出すも、運悪く充電が切れてしまっていた。
「最悪……」
これだけでも泣きたくなるほどの不運なのだが、絵梨花をさらに絶望させる出来事が起こってしまう。
「夏樹さん……」
絵梨花は笑顔で写真に写っている彼をそっと指で撫でる。それと同時に、再び涙が溢れて床に落ちていく。
夏樹と出会ったのは、三年前の夏のことだった。絵梨花は高校の時の友達に誘われ、浴衣を着て夏祭りに出かけた。この夏祭りは地元では有名な祭りで、毎年多くの人で賑わっている。
屋台で売られているかき氷や焼きそばを食べ、射的やヨーヨー釣りで遊び、久しぶりに絵梨花ははしゃいでいた。しかしーーー。
「みんな、どこ行っちゃったの?」
絵梨花は友達とはぐれてしまった。慌てて探すものの、人が多すぎて全くわからない。かばんの中にあるスマホを取り出すも、運悪く充電が切れてしまっていた。
「最悪……」
これだけでも泣きたくなるほどの不運なのだが、絵梨花をさらに絶望させる出来事が起こってしまう。