契約夫婦なのに、スパダリ御曹司は至極の愛を注ぎ続ける

「ん……」

丁寧に甘やかされているのがわかった。
私が不安にならないように、ゆっくりと何度もキスをしながら進めていってくれている。それに気付いた途端、胸の奥がキュッと締め付けられ、どうしようもない多幸感に包まれた。

こんなふうに体をもって大事だと伝えられたことは、初めてで嬉しくて……やっぱり〝もっと〟と欲張りたくなる。
悠介から受ける濃密な愛情を、独り占めしたいという欲が生まれていた。

体をずらした悠介が、脇腹に唇で触れる。くすぐったくて身をよじったけれど、そこを舌先で撫でられるとふわふわとした気持ちよさが混じり「んっ」と声が漏れる。

悠介が、脇腹や腰骨のあたりにも軽く吸い付くので、目を閉じてただ受け入れていたけれど、そのうちに胸を直接手で触れられビクッと体が反応した。

胸全体を手で覆い撫でられると、羞恥心が一気に溢れ、思わず顔を思い切り背ける。
唇やお腹へのキスをされている間はなかったいやらしさが空気に混ざり、鼓動が速度を上げていた。

「ん……っ、ぁ……」

胸の先を指先で撫でられると、お腹の奥が疼いて自然と腰が浮いてしまう。そんな私に、悠介が小さく笑ったのが耳でわかったけれど、とてもじゃないけれどそれを目で確認するなんてできず、ただシーツを握り締めて耐える。

呼吸が震える理由は、恥ずかしさからと気持ちよさからとの両方だった。