どうも、噂の悪女でございます
 その後はあれよあれよという間に話が進んだ。イアン王子がその真偽について密かに側近に調べさせ、事実であることを突き止めた。
 以前よりメアリーからマーガレットの悪行について聞かされていたイアン王子はすぐにマーガレットから聖女の力を他の者に移すことを決め、結果的に今日の卒業記念舞踏会の出来事に繋がったのだ。

「きっと、私以外にもマーガレット様が嫌いな人がいてこっそり教えてくれたのね」

 名乗り出てくれれば然るべきお礼はするし、場合によっては取り巻きにしてあげてもいいのに。

「ま、いっか」

 探さなくても、本人がいずれ名乗り出るだろう。そんなことより──。

「うふふっ。私が王太子妃様になるのね」

 そしてゆくゆくは王妃、つまりこの国で最も尊い立場の女性になるのだ。
 今日は最高の日だ。笑いが止まらない。

 
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