どうも、噂の悪女でございます
    ◇ ◇ ◇


 翌日、マーガレットは朝日の眩しさに目を覚ました。ゆっくりと顔を上げると、カーテンの隙間から太陽の光が差し込んでいる。

「んー、ゆっくりした」

 マーガレットは大きく腕を伸ばして伸びをする。
 こんなにゆっくりと眠ったのはいつ以来だろう。これまでは毎日早朝に起きて、国の浄化を行うための祈りを行ってきたから。

「今日は何をしようかしら?」

 毎日聖女として、そして将来の王太子妃としてのスケジュールがびっしりと詰まっていたから、何も予定がないことに戸惑ってしまう。
 何をしようかとベッドの上でぼんやり考えていると、ドアが開いて侍女のエレンが入ってきた。

「おはようございます、マーガレット様。お手紙が届いております」
「おはよう。お手紙? こんなに朝早くから?」

 マーガレットは不思議に思い、その手紙を受け取る。
 上質な封筒には赤い封蝋がされていた。裏面には美しくも力強い文字で署名がされていた。

「ダレン様から?」

 そう言えば昨晩、あとで連絡すると言っていた気がする。
 マーガレットはその手紙の封を切る。

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