どうも、噂の悪女でございます
「お前の持つ聖女の力は、他人に授けることができるそうではないか。ならば、今この場でその力を全て、メアリーに授けろ。そうすれば、メアリーが聖女となる」
「それ、本気で仰っていらっしゃいますか?」
マーガレットは驚いて聞き返す。
「もちろん本気だ。この期に及んで王太子妃の立場が惜しいからと見苦しいぞ! この、悪女がっ!」
益々調子を上げて自分を罵倒してくるイアン王子を見つめながら、マーガレットの中で何かが壊れた。
国を守るため、人々のためと思って必死で勉強して努力してきた。なのに、その結果がこんな男の妃になることだとするならば、やっていられない。
「わかりました。わたくしの持てる聖なる力の全てを、メアリー様にお渡しします」
「わかったなら、さっさとやれ」
イアン王子が顎をしゃくってマーガレットに命じる。
「マーガレット様!」
一歩前に出ようとしたマーガレットを、横から止めようとする声がした。見ると、学園生活で親しくしてきて、公私ともにマーガレットを支えてくれてきた令嬢達だ。
「大丈夫よ」
マーガレットは彼女達に微笑んでみせる。ここで下手に手出しすれば、彼女達が不敬罪をかけられる恐れがあるのだ。
「それ、本気で仰っていらっしゃいますか?」
マーガレットは驚いて聞き返す。
「もちろん本気だ。この期に及んで王太子妃の立場が惜しいからと見苦しいぞ! この、悪女がっ!」
益々調子を上げて自分を罵倒してくるイアン王子を見つめながら、マーガレットの中で何かが壊れた。
国を守るため、人々のためと思って必死で勉強して努力してきた。なのに、その結果がこんな男の妃になることだとするならば、やっていられない。
「わかりました。わたくしの持てる聖なる力の全てを、メアリー様にお渡しします」
「わかったなら、さっさとやれ」
イアン王子が顎をしゃくってマーガレットに命じる。
「マーガレット様!」
一歩前に出ようとしたマーガレットを、横から止めようとする声がした。見ると、学園生活で親しくしてきて、公私ともにマーガレットを支えてくれてきた令嬢達だ。
「大丈夫よ」
マーガレットは彼女達に微笑んでみせる。ここで下手に手出しすれば、彼女達が不敬罪をかけられる恐れがあるのだ。