契約結婚のはずなのに、予定外の懐妊をしたら極甘に執着されました~強引な鉄道王は身ごもり妻を溺愛する~
トイレでうずくまって待っていたら、ようやく伊織さんが帰ってきた。
「結菜、遅くなったな。すぐ病院に行く。もう連絡はしてある」
「伊織さん……」
彼に抱き上げられて、たくましい肩にしがみつく。伊織さん以外の人に頼ることは考えられなかった。
この人が、赤ちゃんのパパ。わたしと同じ深さの愛情を赤ちゃんに抱いてくれる人。
今のわたしの焦りも恐怖を、きっと彼も感じてる。でも、わたしみたいに泣くだけじゃなくて、仕事を切り上げる算段をつけ、病院の手配をして、わたしの心まで支えてくれる。
頼りになる男性。たったひとりのわたしの夫だ。
伊織さんはすがりつくわたしをしっかりと抱きしめ、そっと手を離して車に乗せた。
伊織さんと暮らしはじめてから、新しくかかりつけになった産婦人科を受診すると、切迫流産だと告げられた。
完全な流産ではない。子どもはまだおなかの中で生きているけれど、流産の一歩手前で、きわめて危ない状況だった。
自宅で絶対安静にするよう厳命され、わたしの療養生活が始まった。
「わたし、なにか体によくないことをしちゃったのかな」
「結菜、遅くなったな。すぐ病院に行く。もう連絡はしてある」
「伊織さん……」
彼に抱き上げられて、たくましい肩にしがみつく。伊織さん以外の人に頼ることは考えられなかった。
この人が、赤ちゃんのパパ。わたしと同じ深さの愛情を赤ちゃんに抱いてくれる人。
今のわたしの焦りも恐怖を、きっと彼も感じてる。でも、わたしみたいに泣くだけじゃなくて、仕事を切り上げる算段をつけ、病院の手配をして、わたしの心まで支えてくれる。
頼りになる男性。たったひとりのわたしの夫だ。
伊織さんはすがりつくわたしをしっかりと抱きしめ、そっと手を離して車に乗せた。
伊織さんと暮らしはじめてから、新しくかかりつけになった産婦人科を受診すると、切迫流産だと告げられた。
完全な流産ではない。子どもはまだおなかの中で生きているけれど、流産の一歩手前で、きわめて危ない状況だった。
自宅で絶対安静にするよう厳命され、わたしの療養生活が始まった。
「わたし、なにか体によくないことをしちゃったのかな」