契約結婚のはずなのに、予定外の懐妊をしたら極甘に執着されました~強引な鉄道王は身ごもり妻を溺愛する~
「着いたよ。愛菜はまだ寝てる?」
「どうかな。あ、起きた」
チャイルドシートのかごの中で、赤ちゃんのつぶらな瞳がこちらを見つめている。
「あぅ、う?」
乳児特有の喃語がかわいらしい。
「まぁちゃん、軽井沢のおうちに着いたんだって。どんなおうちか楽しみね」
ぷっくりとしたほっぺたをつつきながら話しかけると、愛菜はキャッキャと笑った。
切迫流産から出産、新生児の育児と怒濤の日々が続き、なかなか遠出ができず、この別荘を訪れるのはこれが初めてだ。
灼熱の東京から来ると、七月の軽井沢は信じられないくらい爽やか。標高千メートルを超える避暑地は観光のトップシーズンを迎えているけれど、別荘のあるあたりは人もまばらで、森の木々の葉ずれの音や鳥の声だけが聞こえている。
もともと軽井沢は『軽井沢ルール』と呼ばれる建築規制があり、分譲される最小敷地面積が決まっている。だから、どの別荘の敷地も広々としているのだけど、東條家の別荘は周囲よりもさらに広くて大きかった。
「どうかな。あ、起きた」
チャイルドシートのかごの中で、赤ちゃんのつぶらな瞳がこちらを見つめている。
「あぅ、う?」
乳児特有の喃語がかわいらしい。
「まぁちゃん、軽井沢のおうちに着いたんだって。どんなおうちか楽しみね」
ぷっくりとしたほっぺたをつつきながら話しかけると、愛菜はキャッキャと笑った。
切迫流産から出産、新生児の育児と怒濤の日々が続き、なかなか遠出ができず、この別荘を訪れるのはこれが初めてだ。
灼熱の東京から来ると、七月の軽井沢は信じられないくらい爽やか。標高千メートルを超える避暑地は観光のトップシーズンを迎えているけれど、別荘のあるあたりは人もまばらで、森の木々の葉ずれの音や鳥の声だけが聞こえている。
もともと軽井沢は『軽井沢ルール』と呼ばれる建築規制があり、分譲される最小敷地面積が決まっている。だから、どの別荘の敷地も広々としているのだけど、東條家の別荘は周囲よりもさらに広くて大きかった。