契約結婚のはずなのに、予定外の懐妊をしたら極甘に執着されました~強引な鉄道王は身ごもり妻を溺愛する~
「明日はどこにも行かずに、別荘でゆっくりしましょうか」

 覆いかぶさる彼の肩に手をかけて引き寄せ、視界がぼやけるほど近くで見つめ合う。

「……いいのか?」
「わたしが寝坊しても、愛菜が起きたら面倒みてくれる?」
「もちろん」
「朝ごはん、作ってくれる?」
「喜んで」
「ランチも?」
「なんでもする。一日中、きみの言うことを聞くよ。だから……」

 口づけが降ってくる。
 甘い吐息がお互いの気持ちを高め、熱い舌が深く絡み合う。

「ん……んぁっ」
「結菜」

 唇が離れていき、上半身を起こした伊織さんが来ていたTシャツを脱ぎ捨てる。そして、わたしのナイトウェアのボタンを外し、前を隠そうとするわたしの腕をシーツに縫いとめた。
 身動きできない。じっと見られているのは恥ずかしい。けれど、わたしなんかの体で伊織さんが昂っていることがわかるから、すごくうれしい。
 もっとわたしを感じてほしい。わたしもたくさん彼を感じたい。
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