契約結婚のはずなのに、予定外の懐妊をしたら極甘に執着されました~強引な鉄道王は身ごもり妻を溺愛する~
 わたしは重い体を起こして、水を飲みに行った。
 冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを出して、グラスに注ぐ。
 ソファーに腰かけて窓のブラインドを少し上げると、車窓の外は白銀の世界だった。

「綺麗……」

 真冬の森。
 夜中降っていた雪はもうやんでいた。木々の枝から音もなく雪が落ちる。
 やがて、朝日が世界を照らした。
 白く輝く朝。
 夜は朝になり、朝は夜になる。冬は春になり、夏になり秋になり、また次の冬が来る。
 彼と一緒なら、暗い夜も寒い冬も、過ぎていく時間だって愛おしい。

「結菜……?」

 寝ぼけているのか、伊織さんが手を伸ばしてベッドの片側を探っている。

「ここにいるわ」

 わたしはベッドに戻って、伊織さんのあたたかい腕の中にもぐり込んだ。





* The End *
< 153 / 153 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:145

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
  • 書籍化作品
[原題]海運王の御曹司と初夜からはじまる溺愛クルーズ~身代わりの花嫁は甘やかな恋の罠にはまる~

総文字数/115,803

恋愛(純愛)252ページ

表紙を見る
表紙を見る
表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop