契約結婚のはずなのに、予定外の懐妊をしたら極甘に執着されました~強引な鉄道王は身ごもり妻を溺愛する~
東條さんはクルーに新しいワインのボトルをオーダーして、わたしにいたずらっぽく微笑みかけた。
「要するに酒好きなんだな」
「えへへ。でも、東條さんも結構酔ってますよね?」
「結菜ほどじゃない」
そうは言っても、東條さんの頬もほんのり上気している気がする。
女優だったお母さまに似ているのか、中性的にも思える華やかな美貌。それがかすかに色づいている様子は、ただの美女よりもずっと艶めいて見える。
わたしはぼうっと彼の顔に見とれていたけれど、ワインのボトルを差し出されると、そちらに集中した。これも千曲川ワインバレーの有名なワイナリーの赤ワイン、しかも希少な銘柄だ。
東條さんがぷっと吹き出した。
「きみはほかの女とは全然違うな。俺よりも、ワインに関心がある顔をしている」
「ええ? そうですか?」
おかしそうに笑っていた彼が、少し真面目な表情になった。
「結菜は、どうしてひとりで『あきつ島』に?」
「ん? それは……うーん。東條さんは、視察を兼ねた休暇なんですよね?」
「要するに酒好きなんだな」
「えへへ。でも、東條さんも結構酔ってますよね?」
「結菜ほどじゃない」
そうは言っても、東條さんの頬もほんのり上気している気がする。
女優だったお母さまに似ているのか、中性的にも思える華やかな美貌。それがかすかに色づいている様子は、ただの美女よりもずっと艶めいて見える。
わたしはぼうっと彼の顔に見とれていたけれど、ワインのボトルを差し出されると、そちらに集中した。これも千曲川ワインバレーの有名なワイナリーの赤ワイン、しかも希少な銘柄だ。
東條さんがぷっと吹き出した。
「きみはほかの女とは全然違うな。俺よりも、ワインに関心がある顔をしている」
「ええ? そうですか?」
おかしそうに笑っていた彼が、少し真面目な表情になった。
「結菜は、どうしてひとりで『あきつ島』に?」
「ん? それは……うーん。東條さんは、視察を兼ねた休暇なんですよね?」