契約結婚のはずなのに、予定外の懐妊をしたら極甘に執着されました~強引な鉄道王は身ごもり妻を溺愛する~
「そうだな。視察というほどかしこまったものじゃないが、機会があればできるだけ、鉄道の旅は体験しておこうと思っている」
「わたしは、もともと豪華列車に興味があったわけじゃないんです」
別に秘密にしているわけではないし、東條さんに知られても問題はないか。それに、いっそだれかに話してしまったほうがすっきりするかもしれない。
「実は、『あきつ島』のチケットを取ろうとしていたのは、元カレなんです」
「元カレ? 恋人がいたんだ」
東條さんがわずかに眉をひそめた。
「そう。その人が鉄道好きだったの。付き合いはじめたばかりのころ、『あきつ島』の抽選にふたりで申し込んで、わたしの名義のぶんが運よく当選したんです。でも、つい先日振られてしまって」
「そんな事情があったのか」
「一名一室の料金はすごく高くなるんだけど、この旅で気持ちに区切りをつけたいなと思って、貯金をつぎ込んじゃいました」
わたしはからからと笑った。
「わたしは、もともと豪華列車に興味があったわけじゃないんです」
別に秘密にしているわけではないし、東條さんに知られても問題はないか。それに、いっそだれかに話してしまったほうがすっきりするかもしれない。
「実は、『あきつ島』のチケットを取ろうとしていたのは、元カレなんです」
「元カレ? 恋人がいたんだ」
東條さんがわずかに眉をひそめた。
「そう。その人が鉄道好きだったの。付き合いはじめたばかりのころ、『あきつ島』の抽選にふたりで申し込んで、わたしの名義のぶんが運よく当選したんです。でも、つい先日振られてしまって」
「そんな事情があったのか」
「一名一室の料金はすごく高くなるんだけど、この旅で気持ちに区切りをつけたいなと思って、貯金をつぎ込んじゃいました」
わたしはからからと笑った。