契約結婚のはずなのに、予定外の懐妊をしたら極甘に執着されました~強引な鉄道王は身ごもり妻を溺愛する~
わたしは『あきつ島』で初めて出会って、一泊二日の旅をともに過ごした伊織さんに好意を持っていた。
もちろん、最初は気の合う友人としてだ。
大企業の社長と、中小企業の平社員。だれもが振りかえるような一流の男と、平凡きわまりない女。そんな垣根が気にならなくなるくらい話のテンポが合って、笑顔になれる。
一緒にいるとリラックスできるのと同時に適度な緊張感があって、その感覚も心地いい。手と手がふれたり、涼やかな瞳でじっと見つめられると、胸の奥がきゅっとなって少しだけ苦しくなる。
「わたし……」
ずっと考えないようにしていたのに、こんなときに気づいてしまった。
この苦しさは、ただの好意なんかじゃありえない。彼に抱かれてから、一気に深まってしまった想い。
つらいのは、彼を求めているからだ。もっと一緒にいたい。もっとこちらを見てほしい。もっと、愛してほしいって。
わたし、気づかないうちに、伊織さんを好きになっていたんだ……。
こんな気持ちのまま、伊織さんと愛のない夫婦になるのは、たぶん苦しさが増すだけ。
わたしは決意を固めて、顔を上げた。
「契約のプロポーズをお受けします」
もちろん、最初は気の合う友人としてだ。
大企業の社長と、中小企業の平社員。だれもが振りかえるような一流の男と、平凡きわまりない女。そんな垣根が気にならなくなるくらい話のテンポが合って、笑顔になれる。
一緒にいるとリラックスできるのと同時に適度な緊張感があって、その感覚も心地いい。手と手がふれたり、涼やかな瞳でじっと見つめられると、胸の奥がきゅっとなって少しだけ苦しくなる。
「わたし……」
ずっと考えないようにしていたのに、こんなときに気づいてしまった。
この苦しさは、ただの好意なんかじゃありえない。彼に抱かれてから、一気に深まってしまった想い。
つらいのは、彼を求めているからだ。もっと一緒にいたい。もっとこちらを見てほしい。もっと、愛してほしいって。
わたし、気づかないうちに、伊織さんを好きになっていたんだ……。
こんな気持ちのまま、伊織さんと愛のない夫婦になるのは、たぶん苦しさが増すだけ。
わたしは決意を固めて、顔を上げた。
「契約のプロポーズをお受けします」