契約結婚のはずなのに、予定外の懐妊をしたら極甘に執着されました~強引な鉄道王は身ごもり妻を溺愛する~
「じゃあ、ここに連れてきてしまって悪かったな。外に出たほうがいいかな」
「ごめんなさい。最近あまり食べられなくて。外の空気を吸ったら、少しは楽になるかも」
伊織さんに手を取られて立ち上がる。
クロークに預けてあったコートを着せてもらって玄関を出ると、冷たい冬の空気が気持ちよかった。深く息を吸って、呼吸を整える。
どこかに電話をしていて少し遅れて来た伊織さんが、わたしの手を彼の腕にかけて寄りかからせてくれた。
「少しだけ歩いても平気?」
「ええ」
エントランスの小道から表通りに出て、二、三分歩いて立ち止まる。
そこにはシャッターを下ろしている最中の店があった。大きなガラス窓の向こうには、華やかなネックレスやイヤリングが展示されている。ジュエリーショップみたいだ。
従業員用の出入り口が開き、そこから出てきた店長さんが、恭しく伊織さんに頭を下げる。
「伊織さん、これは……?」
「すぐに終わるから。そのあと、家まで送る」
「え? ええ」
狐につままれたような気分で、わたしは伊織さんと一緒に店の奥に通されたのだった。
「ごめんなさい。最近あまり食べられなくて。外の空気を吸ったら、少しは楽になるかも」
伊織さんに手を取られて立ち上がる。
クロークに預けてあったコートを着せてもらって玄関を出ると、冷たい冬の空気が気持ちよかった。深く息を吸って、呼吸を整える。
どこかに電話をしていて少し遅れて来た伊織さんが、わたしの手を彼の腕にかけて寄りかからせてくれた。
「少しだけ歩いても平気?」
「ええ」
エントランスの小道から表通りに出て、二、三分歩いて立ち止まる。
そこにはシャッターを下ろしている最中の店があった。大きなガラス窓の向こうには、華やかなネックレスやイヤリングが展示されている。ジュエリーショップみたいだ。
従業員用の出入り口が開き、そこから出てきた店長さんが、恭しく伊織さんに頭を下げる。
「伊織さん、これは……?」
「すぐに終わるから。そのあと、家まで送る」
「え? ええ」
狐につままれたような気分で、わたしは伊織さんと一緒に店の奥に通されたのだった。