bitter × sweet
「絶対に隣歩かないでね。」


もう知らない、そんな思いで蜂谷 宵の前に行って先に歩き始めた。


そんな私の後ろで、「やば、やっぱかわいーわ。」なんて呟いてるのに気づかずに。

そしてすぐ後に私の後ろを蜂谷 宵が歩いてるのが分かった。



「ねー、蜜ちゃん。この辺って出るらしいね。」


「…、何。何も出てないけど。」


「えー、蜜ちゃん知らないの?確かここだったかな、一家心中があったらしいよ。」



そう言って私の後ろからスっと指を指したのは確かに使われていない空き家だった。


…、


「……そう。」



やばい、そうだったんだ。
知らなかった、私今までこの家の前何回も通ってたのに。

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