ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
「……あ、あの…
嬉しいです…」
「よかった。
最近は北川さんがよく、
ここに来てくれるから、
この部屋はもう、俺だけの部屋じゃないし、
北川さんがいて楽しい空間にしたいから」
「あ…」
俺が立ち上がって、ツリーにライトを
巻きつけていると、
北川さんが俺のズボンのすそを掴んだ。
「加瀬さん…私…
自立したくて、一人暮らしを
始めたけど、やっぱり一人は
寂しいし、夜は物音がするとちょっと
怖いなって思うこともあったんです。
でも、いつも隣には加瀬さんがいるって思うと、
なぜか心穏やかになって、安心できるんです。
この部屋も、最初来たときは、
おしゃれすぎて、緊張したんですけど、
今は、もう一つの私の家って感じなんです。
図々しいことを言っていたら、すみません」
俺は北川さんの真正面にあぐらをかいた。
「ううん、俺も、北川さんが
隣に引っ越してきてくれて、
すごく嬉しい」
まっすぐに彼女を見つめると、
顔を赤くして、目をそらす。
「クリスマスは、あの人と過ごすの?」