ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
「ねっねっ、あの人見て!
めちゃくちゃかっこいい!」
「もしかして、モデルとか?」
「かもー!」
モデルじゃないけどな。
いい気分だからもっとチヤホヤしてくれ。
「ここにいるってことは
クリスマスにアクセサリーを
プレゼントするってことだよね」
「彼女うらやましー!」
悲しいことに彼女じゃないけどな。
「どっちが接客行く?」
「私行きたい」
「えー、ずるーい」
俺、やっぱりモテてる!
北川さんといると忘れかけるけど、
俺まじでイケメンだからな。
「いらっしゃいませ。それ、かわいいですよねー、
彼女さんへのプレゼントですか?」
「いえ、友達にあげる
クリスマスプレゼントです」
と、俺が言うと、店員二人はざわついた。
彼女たちの表情から
「その女、何者?」という気持ちが読み取れた。
んー。
やっぱり、彼女でもないのに
アクセサリーは重いし、やめよ。
でも、北川さん、何が好きなんだろ…
そういえば、趣味とか全然知らない。