ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない


「ねっねっ、あの人見て!
めちゃくちゃかっこいい!」
「もしかして、モデルとか?」
「かもー!」

モデルじゃないけどな。
いい気分だからもっとチヤホヤしてくれ。

「ここにいるってことは
クリスマスにアクセサリーを
プレゼントするってことだよね」
「彼女うらやましー!」

悲しいことに彼女じゃないけどな。

「どっちが接客行く?」
「私行きたい」
「えー、ずるーい」

俺、やっぱりモテてる!
北川さんといると忘れかけるけど、
俺まじでイケメンだからな。

「いらっしゃいませ。それ、かわいいですよねー、
彼女さんへのプレゼントですか?」
「いえ、友達にあげる
クリスマスプレゼントです」


と、俺が言うと、店員二人はざわついた。
彼女たちの表情から
「その女、何者?」という気持ちが読み取れた。

んー。
やっぱり、彼女でもないのに
アクセサリーは重いし、やめよ。


でも、北川さん、何が好きなんだろ…
そういえば、趣味とか全然知らない。




< 108 / 206 >

この作品をシェア

pagetop