ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない


「ん?あー…
さすがですね」
とちょっと残念そうな表情でそう言って、
キッチンの方へ消えていったのだ。


あれ?
他の女子ならこういうこと言うと
目を輝かせて、
「すごーい!海外ってどこ?
得意料理ってなに?」
って食いついてくるのに、
そのリアクションは何だ?


うーん…
もしかしたら、今は片付けで忙しいだけかもしれない。
そんなおしゃべりしている暇はないってことか。


「北川さん」
「あ、はい」
「棚、できたけど、どこに置けばいい?」

俺が数分で完成させた棚をひょいっと
片手で持ち上げると、
キッチンから顔を出した北川さんが
慌ててやって来て、両手でそれを抱えた。

「私が置くので大丈夫です!
よいしょっ」
「重いでしょ。俺運ぶよ」

このさりげなく手伝う感じの俺、
絶対かっこいいはずだ。

重いものを軽々持つのも頼れる男感!


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