ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない


「ごめん。起こした?」
「……」

北川さんは何も答えず、
そしてなぜかうつむいたまま、
目も合わせずこっちへかけてきて、
そのまま俺に抱きついた。


「っ?!」

ど、どういうこと?!え?!

俺いつの間にか北川さんに
抱きつかれるところまで
地位を上げてたってこと?!

このまま、上目づかいで、
おかえり、大和(ハート)
って言われるのか?

ってか、言われたい!

「ふっ…ふぇーん…」

言われなかった。
北川さんは、俺の胸にしがみついたまま泣き出した。

「ん?え?どしたの、北川さん?
とりあえず、ご近所さん寝てるだろうから、
家の中入ろ」

と、北川さんの耳元で言うと、
彼女は頷いた。


< 117 / 206 >

この作品をシェア

pagetop