ハイスぺな俺が北川さんに相手にされない
俺は自分の家のドアを開けて、北川さんを
中に入れると、ソファーに座らせた。
部屋の中はひんやりして、
このままじゃ北川さんが冷えると思い、
エアコンをつけて、
北川さんにはブランケットをかけた。
「あ…ありがとうございます…
か…加瀬さん、ほんとにすみません…
きっと疲れてるだろうし、
夜も遅いし、急におしかけて、
私が非常識なのわかってるんですけど…」
「いいよ。どした?」
俺は北川さんの横に腰かけた。
頭がガンガンするから、
ソファーの背もたれに肘をついて、
頭を支える。
「私が好きって言ってた彼……
実は…」
北川さんのその言葉をきいて、
俺はドキッとした。
……え、やべ。その話…
「結婚してて……こ、子供もいて…
私…ずっと…だまされてた…」
「……っ」
「夕方、いつものスーパーに買い物に行ったら、
偶然見かけて…
いつもはしてない結婚指輪も見えた…
私…私…」